墓じまいのやり方は、宗派ごとに異なります。何らかの理由で墓守をする人がいない場合、墓じまいをすることが一般的です。とはいえ、どんなやり方で進めればよいのか、どんな供養が必要なのかなどよく分からないこともあると思います。

私たちウラシコは、名古屋を中心に墓じまい・墓石撤去のご相談を数多く受けてきましたが、供養に関する認識の違いが原因で、寺院とのトラブルにつながるケース も少なくありません。

そこで今回は、墓じまいのやり方や必要な供養などについて詳しく解説します。墓じまいを予定している方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

墓じまいで必要な供養と費用

墓じまいで必要な供養と費用

墓じまいで行われる供養は、一般的に「閉眼供養(へいがんくよう)」や「魂抜き(たましいぬき)」「遷座法要(せんざほうよう)」と呼ばれます。

これは、お墓を単なる石として扱うのではなく、これまで手を合わせてきた場所として、きちんと区切りをつけるための儀式(法要) です。

宗派によって呼び方や考え方は異なりますが、

  • 墓としての役割を終えることを僧侶に報告する
  • 故人やご先祖に感謝の気持ちを伝える
  • 墓石をただの石に戻すための供養

という意味合いは、共通しています。

供養法要にかかる費用は、いわゆる「お布施」として僧侶にお渡しします。地域差や寺院の考え方にもよりますが、3万円〜5万円程度 が一つの目安になることが多いです。

供養法要のタイミング(各宗派共通)

供養法要は、必ず工事の前に行います。

実務上の流れとしては、

  • 供養法要を行う
  • 僧侶による読経が終わる
  • その後、墓石の撤去工事に入る

という順番になります。

供養をせずに工事だけ先に進めてしまうと、寺院側とのトラブルや、親族の感情的な問題につながることもありますので必ず菩提寺に確認して進めてください。

供養法要は立ち会いが必要か

供養法要

供養法要には、

  • 施主(墓地使用者)
  • 親族数名
  • 墓石撤去業者(供養と撤去を同日に行う場合)

が立ち会われるケースが一般的です。

ただし、遠方に住んでいる場合や人数が揃わない場合は、最低限の立ち会いで行うことも可能です。ウラシコでは、「どこまで立ち会うべきか」「誰が来るべきか」といった点も、事前に丁寧にご説明しています。お気軽にご相談ください。

墓じまいの基本的な流れ(宗派共通)

墓じまいまでの基本的な流れ

日本の主要な仏教宗派において、墓じまいの内容に大きな違いはありません。法要の名称など、細かな部分での違いが見られる程度です。

ただし、菩提寺(先祖代々のお墓を管理しているお寺)がある場合は、お寺ごとに独自のしきたりや手順が設けられていることがあります。そのため、必ず事前に菩提寺へ確認が必要です。

宗派が異なっても、墓じまいまでの流れは基本的にほぼ同じです。まずは、基本的な流れを理解しておきましょう。

①親族内での打ち合わせ

まずは、親族内での打ち合わせを行いましょう。まず、親族間で墓じまいについて十分に話し合い、合意を取ります。

②菩提寺などの墓地管理団体と打ち合わせ

お墓がある墓地もしくは霊園の管理者に墓じまいの連絡を行います。そして供養の日程を決めます。墓じまいの打ち合わせでは、以下のようなことを取り決めるのが一般的です。

  • 墓じまいの実施日時
  • 墓じまいのおおよその流れ
  • 墓石を撤去する業者の選定(寺院から指定される場合もある)
  • 当日までに準備しておくこと(お墓の掃除や片付けなど)

③役所で改葬許可の手続き

墓じまいを行う場合、役所にて改葬許可の手続きが必要です。なお、墓じまい後に新たな場所に納骨する場合は、同時に埋葬(納骨)証明書や受入証明書(永代供養許可証)も必要です。改葬許可の手続きに関してはこちらのページをご参考ください。

④供養法要とお骨の取り出し(閉眼供養・魂抜き)

工事の前に供養法要を行います。宗派によって考え方や呼び方は異なりますが、「供養を行ってから撤去工事に入る」という流れは共通しています。供養後、工事前にお骨の取り出しを行い保管します。

⑤墓石の撤去・解体工事

供養法要が無事に終わったあと、墓石の撤去・基礎の解体工事を行います。主な作業内容は、墓石の解体・搬出⇒基礎コンクリートの撤去⇒区画内の整地(更地化)です。

⑥新しい納骨先への納骨

墓地が更地になったあとは、事前に決めておいた新しい納骨先へ納骨し完了です。納骨先によってはさらに開眼供養などの供養が必要な場合があります。

墓じまいのやり方を主な宗派ごとに解説

主な宗派

墓じまいまでの流れはほとんど同じでも、墓じまい自体のやり方は宗派ごとに細かな部分で異なることがあります。墓じまい当日になって慌てないためにも、宗派ごとのやり方の違いを理解しておきましょう。

寺院にお墓があっても、実は宗派までは知らないという皆さんもいます。まずは、寺院の宗派を確認してください。仏教の主な宗派は、以下のとおりです。

  • 浄土真宗
  • 浄土宗
  • 真言宗
  • 曹洞宗
  • 日蓮宗
  • 臨済宗
  • 天台宗

※順不同

もしも宗派が分からない場合は、寺院に問い合わせるといった方法で知ることができます。また、寺院からの郵便物・配布物や寺院のサイトなどにも、宗派が記載されていることが多いので確認してみてください。

浄土真宗(閉眼供養を行わない)

浄土真宗では、「亡くなった方の魂が墓や仏壇に留まる」という考え方をしません。そのため、墓じまいの際に閉眼供養(魂抜き)を行わない という点が、他宗派との大きな違いです。

実務上は、読経のみを行ったり、供養自体を行わず、報告のみで進めるという場合もあります。ただし、ご家族の気持ちの整理として「簡単な読経」をお願いするケースも多く、最終的には 寺院と相談して決めて構いません。

愛知県内の代表的な浄土真宗寺院

  • 東別院(名古屋別院)(名古屋市中区)
  • 西別院(本願寺名古屋別院)(名古屋市中区)

名古屋市内で墓じまい相談が多い寺院の一つです。

浄土宗(比較的シンプルな閉眼供養)

浄土宗では、墓じまいにあたって閉眼供養を行うのが一般的 です。供養内容は比較的シンプルで、読経を中心とした法要になるケースが多く、大きな作法の違いはあまりありません。ウラシコの現場感覚では、寺院側との調整も比較的スムーズな宗派の一つです。

愛知県内の代表的な浄土宗寺院

  • 大須観音(真福寺)(名古屋市中区)
  • 徳興山 建中寺(関連寺院含む)

大須観音は知名度も高く、墓じまいの相談も多い寺院です。

真言宗(供養法要を重視する宗派)

真言宗では、「墓や仏像に魂が宿る」という考え方が強いため、閉眼供養を比較的重視します。供養を省略してしまうと、寺院との関係性に影響が出るケースもあるため注意!

愛知県内の代表的な真言宗寺院

  • 八事山 興正寺(名古屋市昭和区)
  • 荒子観音(観音寺)(名古屋市中川区)

曹洞宗(比較的シンプルな閉眼供養)

曹洞宗も浄土宗と同じく比較的シンプルな供養を行うことが一般的です。ただし寺院ごとの判断に委ねられる部分が大きい宗派のため、事前に菩提寺に入念に確認しておきましょう。

愛知県内の代表的な曹洞宗寺院

  • 大本山 永平寺名古屋別院(名古屋市千種区)
  • 龍泉寺(名古屋市守山区)

日蓮宗(読経中心の供養が基本)

日蓮宗の墓じまいでは、読経を中心とした供養 が行われるのが一般的です。閉眼供養という言葉を使わない場合もありますが、墓じまいに際しては、僧侶による法要を行うケースが多く見られます。

愛知県内の代表的な日蓮宗寺院

  • 久遠寺 名古屋別院(名古屋市中区)
  • 妙行寺(名古屋市内各所)

臨済宗(禅宗のため形式にこだわりすぎない供養)

臨済宗は禅宗の一派であり、墓じまいにおいても形式に強くこだわらない寺院が多い傾向があると思います。事前に菩提寺に入念に確認しておきましょう。

愛知県内の代表的な臨済宗寺院

  • 建中寺(徳川家菩提寺)(名古屋市東区)
  • 妙興寺(一宮市)

天台宗(寺院ごとの差が出やすい宗派)

天台宗は、供養の考え方に幅があり、寺院ごとの差が比較的大きい宗派 です。閉眼供養を行う場合もあれば、読経のみで対応するケースもあります。墓じまい前に必ず寺院へ確認を。

愛知県内の代表的な天台宗寺院

  • 八事山 興正寺(天台宗系寺院含む)
  • 寂光院(犬山市)

まとめ

空家解体時の墓じまい

墓じまいは、大まかな流れはほぼ同じですが、宗派によって細かく異なることがあるので注意が必要です。まずは、墓じまいする寺院の宗派を確認し、よく相談してから進めましょう。

ウラシコが数多くの墓じまい現場を見てきて感じるのは、「供養は宗派と寺院の考えを尊重しながら進めるもの」という点です。

宗派を理解し、供養と工事を切り分けて考えることで、墓じまいはスムーズに進めることができます。

私たちウラシコでは、実家などの古い家屋の解体や片付けを数多くご依頼いただいた実績がございます。墓じまいに関してもお気軽にお問い合わせください。