古くなった家を建て替えるときや土地を売却するときに欠かせない解体工事。「実際には何日くらいで終わるの?」「どんな流れで進むの?」と気になる方も多いのではないでしょうか。
家の解体は、建物の大きさや構造だけでなく、周囲の環境や天候などによっても期間が変わります。家の解体工事にかかる日数の目安や、工事完了までの流れ、期間を短くスムーズに進めるためのポイントを分かりやすく解説します。
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家の解体工事にはどれくらいの期間がかかる?
解体工事の期間は、「建物の大きさ」「構造」「作業環境」によって大きく変わります。一般的には、木造住宅の30坪前後で1〜2週間前後が目安ですが、鉄骨造や鉄筋コンクリート造(RC造)ではもう少し長くなる傾向があります。
これまでの経験をもとに構造別・坪数別のおおよその工期を紹介します。
| 構造 | 坪数 | 日数 |
| 小屋や倉庫 | 10坪程度 | 約2〜4日 |
| 平屋木造住宅 | 15坪程度 | 約4〜6日 |
| 木造住宅 | 30坪(重機使用) | 約8〜12日 |
| 木造住宅 | 30坪(人力作業) | 約2〜3週間 |
| 鉄骨造 | 30坪 | 約11〜14日 |
| RC造(鉄筋コンクリート造) | 30坪 | 約2〜3週間 |
重機が入りにくい立地や、隣家との距離が近い住宅街では安全確保のため作業をゆっくり進める必要があります。逆に、更地が広く重機を自由に動かせる場所では予定より早く終わることもあります。
解体完了までの流れと期間の目安
家の解体は、単に建物を壊すだけではありません。業者選びから見積もり、申請手続き、近隣挨拶など、多くの工程を経て初めて工事が始まります。
実際の工事期間は1〜2週間ほどですが、準備を含めると全体で1か月半〜2か月程度を見ておくと安心です。ここからは、着工までの流れと各工程の目安期間を順に解説します。
業者選びから契約まで(約2週間〜)

家の解体を決めてから最初にするのが、解体工事を依頼する業者探しです。解体業者へ見積もりを依頼し、金額だけでなく「説明の丁寧さ」「追加費用の有無」「近隣対応の姿勢」なども比較検討します。
見積もりを取ってから契約までには、おおよそ1〜2週間ほどかかると思っておきましょう。焦って1社だけで決めると後から思わぬトラブルが起きることもあるため、相見積もりを行い時間をかけて選ぶことが大切です。
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工事着工前の準備(約2週間〜)

契約後は、すぐに工事が始まるわけではありません。建物や周辺環境を現地調査し問題ないことを確認した上で、家屋解体に関する届け出を役所へ提出したり、電気・ガス・水道などのライフライン停止手続きを行ったりします。
また、騒音や振動に配慮して、近隣住民への挨拶も欠かせません。これらの準備期間には、通常2週間程度必要です。
実際の解体工事(約2〜21日間)

準備が整ったら、いよいよ解体工事が始まります。工事は次のような順番で進みます。
1.外構・内装の撤去
2.建物本体の解体
3.基礎部分の撤去
4.整地(更地に戻す作業)
30坪ほどの木造住宅なら、重機を使う場合で8〜12日ほど。人力中心の作業や大型建物では、2〜3週間かかることもあります。天候や現場の条件によって多少の前後はあるものの、計画的に進めれば1ヶ月以内に完了します。
解体工事の期間が延びる主な理由
解体工事では、予定通りに進まないケースもいくつかあります。ここでは、工期が延びやすい代表的な理由を3つ紹介します。
地中に埋設物が見つかる

解体工事でよくあるのが、地中から古いコンクリート塊や配管などの「埋設物」が見つかるケースです。これらを撤去するには追加の掘削や処理が必要になり、数日から1週間ほど工期が延びることがあります。
特に古い建物では、昔の基礎や浄化槽、井戸跡がそのまま残っている場合もあります。事前の地中調査で完全に把握するのは難しいこともあるため、見積もり時点で「追加作業が発生する可能性」について説明を受けておくと、後のトラブルを防げます。
近隣トラブルによる工事の一時中断

騒音・振動・粉じんなどをめぐって、近隣住民からクレームが入ると、工事を一時停止して調整が必要になることもあります。
事前の挨拶や説明でトラブルを防ぐことが大切です。また、解体作業の時間帯や車両の出入りが原因になるケースもあります。業者がきちんと現場管理を行い、施主が近隣と良好な関係を築いておくことで、近隣問題を未然に防げます。
アスベストの発見・追加処理

事前調査でアスベストが判明した場合、飛散防止措置や行政への届出、専門業者による処理が必要となり、工期が延びることがあります。法改正によりアスベスト対応は厳格化しており、スケジュールに影響しやすい要素です。
アスベストが見つかった場合、基本的には最初に湿潤処理を行い、アスベスト部材部分を先に解体撤去します。この作業に1日〜5日ほどかかります。
解体工事をスムーズに進めるためのポイント
解体工事をスムーズに進めるには、依頼主側の準備も大切です。解体前の整理や手続き、近隣対応を早めに行っておくことで、業者の作業効率が上がり、結果的に工期短縮にもつながります。
ここでは、すぐに実践できる3つのポイントを紹介します。
事前に不用品を処分しておく

建物の中に家具や家電が残っていると、その撤去にも時間がかかります。解体工事が始まる前に、家の中を空の状態にしておくことで、初日からスムーズに解体工事に着手できます。
不用品の処分については、不用品回収業者を活用すれば短期間で片付けも可能です。また、リサイクル可能なものを分別しておくことで処分費用の節約にもつながります。
中には買い取りサービスも行っている業者もあるため、早めに整理を始めたり業者を調べたりしておくと安心です。
近隣挨拶を早めに済ませておく

解体工事は音やほこりが出やすいため、事前の近隣挨拶は欠かせません。業者が代行してくれる場合もありますが、施主からも一言伝えると印象が良く、トラブル防止につながります。
特に、隣家が近い住宅街では「何日頃にどんな作業をするか」を簡単に説明しておくのがおすすめです。また、挨拶時に業者の連絡先を伝えておくと、何かあった際の対応もスムーズになります。
スケジュールを共有し、業者と密に連絡を取る

工事の進捗を定期的に確認し、気になる点があれば早めに相談しましょう。連絡が途絶えると誤解や待機時間が生じ、結果的に工期が延びてしまうこともあります。
最近ではLINEやメールで日報を共有してくれる業者も増えており、現場の様子をこまめに把握できます。小さな疑問も遠慮なく質問し、信頼関係を築いていくことがスムーズな進行につながります。
まとめ
家の解体工事は、単に建物を壊すだけでなく、準備や天候、近隣との関係など、さまざまな要素が関わっています。特に解体工事期間については、建物の構造や立地、想定外のトラブルによって変動することが多く、余裕をもった計画が欠かせません。
解体前に不用品を整理し、近隣への挨拶を済ませておくことで、工事をスムーズに進められます。また、業者との連絡を密に取り合うことで、トラブルにも早期対応できトラブルを防げます。
信頼できる業者を選び、見積もりやスケジュールを丁寧に確認しておくことが、安心して家づくりを進める第一歩です。工事中の対応力や説明の丁寧さも重視し、疑問点はその都度クリアにしていくとよいでしょう。

