「家屋の解体を予定しているけれど、家の中に残っている家具や家電はどうすればいいのか」「解体業者に全部任せると費用が高くなるのか」と、解体工事前の不用品処分にお悩みではありませんか。長年住んでいると、思いのほか多くの荷物が残されているものです。今回は、解体工事を控えている方向けに、残置物の意味や効率的な処分方法、費用の目安について分かりやすく解説します。

残置物とは?解体工事前に知っておくべき基本知識

残置物

 建物の解体や売却、賃貸物件の退去時に、家の中に残されたままになっている家具や家電、日用品、衣類などの生活用品のことを「残置物」と呼びます。解体工事は、重機を入れて建物を壊していくため、原則として建物の中を空っぽにしておく必要があります。

解体工事全体の費用と残置物処分の関係性

 一般的な木造住宅の解体工事費用は、坪単価(建物の床面積1坪あたりの解体費用)で3万円〜5万円程度が目安とされており、工事費用の内訳には、足場を組んで防音シートを張る仮設工事費、実際に建物を壊す解体作業費、そしてコンクリートや木材などの廃材を処理する廃棄物処分費などが含まれています。

 ここで注意が必要なのが、基本の解体費用の中には「残置物の処分費用」は含まれていないことが多いということです。もし、家の中に大量の残置物を残したまま解体業者に処分を丸投げしてしまうと、解体工事費用とは別に追加の処分費用が大幅にかかってしまう可能性があります。解体業者が事業活動の一環として依頼者の代わりに回収・処分すると「産業廃棄物」扱いとなり、産業廃棄物は、一般廃棄物に比べて国や自治体のルールが厳しく、専門の処理施設へ持ち込む必要があるため、処分費用が割高になります。その結果として、解体工事の総額が予算を大きくオーバーしてしまう原因になりかねません。

残置物の効率的な処分方法4選

家の残置物

 残置物の処分においては、手間をかければ費用が安くなり、手間を省こうとすれば費用が高くなるという関係が成り立ちます。ご自身のスケジュールや体力、予算に合わせて、以下の4つの方法を賢く組み合わせて処分を進めるのが最も効率的です。

①自治体のゴミ回収を利用して自分で処分する

 最も費用を安く抑えられるのが、燃えるゴミ、燃えないゴミ、資源ゴミ、粗大ごみなどお住まいの自治体のルールに従って、自分でゴミとして処分する方法です。

・メリット

 タンスやソファなどの粗大ゴミであっても、1点あたり数百円〜数千円程度という非常に安い価格で処分可能です。

・デメリット

 ゴミの細かい分別作業や指定日ごとの計画的なゴミ出し、重い粗大ゴミの運搬など、非常に手間と時間がかかるため、解体工事の予定日までに数ヶ月単位で時間がある方や、体力に自信がある方に向いている方法です。

②リサイクルショップや不用品買取業者を利用する

 まだ十分に使える家具や家電、価値のある骨董品、ブランド品などは、ただゴミとして捨てるのではなく、買い取ってもらうことで現金化できます。近年では、出張買取サービスを利用すれば、自宅にいながら査定から搬出までを全て業者に行ってもらえるため非常に便利です。

・メリット

 処分費用がかからないどころか、解体費用の足しになる可能性があります。もし値段がつかなくても、無料で引き取ってもらえる場合もあり、ゴミを減らすことにつながります。

・デメリット

 製造から年数がかなり経過している家電(一般的に製造から5年〜7年以上)や、傷や汚れのひどい家具などは買取不可となります。すべての残置物を一度に処分できるわけではないため、買い取ってもらえなかった物は別の方法で処分する必要があります。

③不用品回収業者に依頼する

 家の中にあるものを一気にまとめて処分したい場合は、民間の不用品回収業者に依頼する方法があります。業者の用意するトラックのサイズ(軽トラック、2トントラックなど)に応じた「定額積み放題パック料金」を設定している業者が多いため、料金の目安がつきやすいのが特徴です。例として、軽トラック1台分で1万5,000円〜3万円程度、2トントラック1台分で4万円〜8万円程度が目安になります。

・メリット

 面倒なゴミの分別から、重い荷物の搬出、処分まですべて業者のスタッフにお任せできるため、手間と時間が非常に省けます。解体工事まで時間がなく、急いで家の中を空っぽにしなければならない場合に最適な方法です。

・デメリット

 自分で時間をかけて処分するよりも、人件費や車両費がかかる分、費用が割高になります。また、業者選びには細心の注意が必要です。トラックに荷物を積んだ後に不当に高額な料金を請求してきたり、回収したゴミを山林などに不法投棄したりする悪徳業者も存在します。依頼する際は、必ず「一般廃棄物収集運搬業許可」を持っているか、または適切な許可を持つ業者と提携して適法に業務を行っている優良な業者を選ぶようにしましょう。

④解体業者にまとめて依頼する

 建物の解体工事を依頼する業者(私たちウラシコなど)に、残置物の処分も一緒に依頼してしまう方法です。解体と処分を一括で任せられるため、業者の手配をする窓口が一つになり、連絡やスケジュール調整が非常にスムーズになります。

・メリット

 解体工事のスケジュールに合わせて業者が柔軟に作業を進めてくれるため、依頼者自身の手間が一番かかりません。また、木製のタンスや本棚、カラーボックスなどの家具であれば、建物を解体した際に発生する木くずと一緒に処分できるルートを持っていることが多く、自分で不用品回収業者に頼むよりも安く処分できるケースがあります。

・デメリット

 解体業者はあくまで建物を壊すプロであり、生活ゴミの処分は専門外ですので、生ゴミ、スプレー缶、大量の衣類などの家庭ゴミは、解体業者では処分を引き受けられないか、引き受けたとしても専門の業者に外注するため処分費用が非常に高くなってしまう場合があります。

残置物処分で注意すべき品目

家の残置物撤去

家電リサイクル法対象品目の処分ルール

 残置物の中で、特に処分ルールに注意が必要なのが「家電リサイクル法」の対象となるテレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機、エアコンの4品目です。これらの家電には有用な資源が多く含まれているため、粗大ゴミとして自治体の回収に出すことは法律で禁止されています。処分するためには、所定の「リサイクル料金」と「収集運搬料金」を支払って、郵便局でリサイクル券を購入し指定の引取場所に自分で持ち込むか、過去にその家電を購入した店舗、または新しく買い替える店舗、あるいは自治体が指定する回収業者に依頼する必要があります。

パソコンや消火器などの特殊なゴミの扱い

 デスクトップパソコンやノートパソコン、モニターは「資源有効利用促進法」という法律により、メーカーによる回収とリサイクルが義務付けられているため、通常のゴミとしては処分できません。各メーカーの受付窓口に連絡して回収を手配したり、家電量販店などで実施している回収に持参したりする必要があります。

 また、消火器、車のタイヤ、耐火金庫、ペンキなどの塗料、コンクリートブロックなどは「適正処理困難物(自治体の設備では安全に処理することが難しいゴミ)」と呼ばれ、多くの自治体では回収を断られます。これらは、専門の処理業者や、購入元の販売店に個別に相談して処分を依頼する必要があります。

残置物の処分方法と費用目安まとめ

 今回は、残置物の処分方法とその費用目安について紹介してきました。解体前の残置物処分で、予算オーバーや思わぬトラブルに見舞われないためには、①余裕を持ったスケジュールをたてる、②残すものと処分するものを明確に分ける、③複数業者から相見積もりを取る、④自分でできる範囲は自分で行うを意識することが重要です。

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家解体中