みなさんは、「古家つき土地」という言葉を見聞きしたことはありますか?不動産市場で見かけることがある言葉なので、あまりなじみのない方が多いかもしれません。

言葉だけ見ると土地が主役であり、古家(古家)は「おまけ」であるように見えますが、実際に購入して新築を建てようとすると、古家の扱いが主役になってきます。

今回は、「古家つき土地」を購入する前に知っておくべき解体費用の相場やスケジュールのリアル、そしてトラブルを防ぐための注意点について詳しく解説していきます。

「古家つき土地」と解体工事費用

古家つき土地

「古家つき土地」とは、すでに古い建物(ほとんどの場合、築30年以上)が建っている状態の土地のことです。建物は老朽化が進んでいることが多く、住居としては価値が低いため、「実質的には土地の価格」として売り出されることが多くあります。

「古家つき土地」の解体工事費用相場

解体費用は建物の構造や大きさ、立地条件、アスベストの有無などによって大きく異なりますが、一般的に解体工事本体については1坪あたり約3〜5万円程が相場といわれています。以下に構造別の1坪あたりの解体工事費用の相場を記載しておりますので、参考程度に見ていただければと思います。

例えば、30坪の木造住宅を解体する場合の解体工事費用は、30坪 × 約3~7万円 = 約90万円~約150万円という目安を知ることができます。

構造 解体工事費用相場(1坪あたり)
木造 約3〜5万円
鉄骨造 約5〜7万円
RC造(鉄筋コンクリート) 約7〜10万円

また、解体工事費用には本体工事のほかに以下のような費用も発生しますので、さらにプラスになる可能性があることを覚えておいてください。

廃棄物処分費

解体工事で発生する廃棄物は基本的にすべて産業廃棄物として処分されますので、一般ゴミなどと処分費用が異なりますので、古家の中に廃棄物(ゴミ)が大量に残っているような場合には、解体工事前に自身で処分しておくのが賢明です。

アスベスト除去工事費

解体する建物にアスベストが含まれている場合には、工事費用とは別にアスベスト除去工事が必要になります。アスベスト除去工事は使用されているアスベストの種類や量によって異なりますが、別途数十万円〜の費用が追加になります。

地中埋設物の撤去費

建物の立地次第では、建物の下に浄化槽や瓦やコンクリートガラなどの建築廃材などが埋まっていることがあります。このように、地中埋設物の撤去が必要な場合には、別途撤去費用が発生しますので注意してください。

「古家つき土地」を買うメリットと注意点

古家付き土地のメリット

「古家つき土地」を買うメリットとしては、以下に挙げるようなことがあげられます。

  • 更地より安い価格で販売されることが多いため、安価に土地を手に入れられる。
  • 固定資産税が更地よりも安くなる。
  • 解体時期を自分で決められるため、自由度が高い。

一方で、「古家つき土地」を買うことについてはメリットだけではありません。購入後の対応を含め、以下のような注意点をすべて理解したうえで購入を決める必要があります。

  • 解体費用が自己負担となる場合が多い。
  • 自治体の条例や近隣住民への対応が必要になる。
  • 建物の中に不法投棄やアスベストが含まれている可能性があり、解体・撤去費用が高くなる可能性がある。

「古家つき土地」の購入を検討する場合には、見かけの金額だけではなく、「見えにくいコスト」や「時間的リスク」を把握したうえで考えるのがきわめて重要になります。

住宅の解体スケジュールの目安

住宅の解体スケジュール

解体工事は想像よりも時間と労力がかかるものです。「土地を買ってすぐ建て替え」というのは理想であり、現実には複数の手続きや準備が必要になりますので、購入後解体するまでのスケジュール感を説明していきます。

一般的な解体スケジュール(木造住宅の場合)

木造住宅を解体する場合の一般的なスケジュールを紹介していきます。

①解体業者選定・見積もり(1〜2週間)

2~3社程に見積依頼を実施し、提示された詳細な見積を比較・検討して解体工事を依頼する必要があります。訪問見積もりの日程調整など次第ではありますが、約1〜2週間ほどかかります。

②建築リサイクル法に基づく届出(約1週間)

解体工事を実施する場合には、各種届出が必要になります。各市町村長や都道府県庁、警察署、消防署、管轄の労働基準監督署などに届出や申請が必要になります。基本的には、解体工事業者が代行してくれますが、自分で実施しなければならない場合もありますので、工事を依頼する前に確認しておくようにしてください。

③ライフラインの停止手続き(1週間程度)

解体工事開始前までに、電気やガス、水道の停止をしておく必要があります。特に、ガスの停止には立ち合いが必要になることもありますので、早めに連絡するようにしてください。

④解体工事(1〜3週間)

解体する建物の規模や当日の天候次第ではありますが、最短で数日~1か月などの期間が必要です。

⑤廃材搬出・土地整備(数日〜1週間)

解体工事を実施した後、最後に廃材の撤去、土地の整備を実施して工事終了になります。その後、依頼者による最終確認を実施してすべて完了になります。ここまで終われば次のステップに進むことができるようになります。

細かいスケジュールを紹介しましたが、全体では約1ヶ月〜2ヶ月程度かかるのが一般的です。解体後に別途建物を建築する場合には、上記に加えて建築確認申請や新築の打ち合わせなどが必要になりますので、その期間を含めると、実際に新居が建つまでには半年〜1年程度かかることになります。

また、アスベスト除去工事が必要になったり、地中埋設物の撤去が必要になったりする場合には、さらに1~2週間程期間がかかることになりますので、具体的な期間に関しては見積の際などに確認するようにしてください。

解体工事業者選びのコツと注意点

解体工事業者選びのコツ

最後に解体工事業者の選び方のコツと選ぶ時の注意点を紹介していきます。もちろん、私達ウラシコはこれらを満たしている自信がありますので、ぜひお気軽にご相談ください!

  • 複数の業者から相見積をとる。
  • 訪問見積もりを実施しているかどうか。
  • 工事業者が建設業許可や産業廃棄物収集運搬業の許可を持っているかを事前に確認する。
  • 見積もり内容が明確で内訳が詳細に記載されているか確認する。
  • 工事に関する申請や届出を代理で実施してくれるかどうか確認する。
  • 残置物の処分費やアスベスト費用が見積に含まれているか確認する。
  • 近隣への挨拶や対応を実施してもらえるか確認する。

「古家つき土地」まとめ

「古家つき土地」まとめ

今回は、「古家つき土地」の購入と購入後の解体工事に関して紹介してきました。「古家つき土地」は価格面の魅力がある一方で、解体には費用・時間・リスクが伴います。すぐに新しい家を建てられると期待していたのに、解体工事費用だけで予算オーバーになったり、予期せぬ工期遅延になったりするといったトラブルに直面する方も少なくありません。

事前に購入後のスケジュールまで見越した計画を建てていく必要があることを忘れないようにしてください。愛知県内における原状回復工事や解体工事のことなら私たちにウラシコにご相談ください。

通常の解体工事から、アスベスト除去工事、原状回復工事など、経験豊富なスタッフがご相談から工事終了まで一貫して丁寧にサポートいたしますので、気軽にご連絡ください。皆様からのご連絡をお待ちしております。