先祖代々のお墓を守ってきたものの、後継ぎがいないことや遠方に住んでいるなどの理由から、お墓の維持が難しくなるケースが増えています。そうした中で注目されているのが「墓じまい」です。私たちウラシコにも墓石撤去のご依頼を度々いただくようになってきました。

しかし、いざ墓じまいを考えようとしても、何から手をつければよいのか、名古屋市での行政手続きはどのように進めるのかなど、分からないことも多いのではないでしょうか。

そこで今回は名古屋で墓じまいを検討している方向けに、必要な行政手続きや具体的な流れ、費用の目安などを解説します。

墓じまいの基礎知識はYouTube動画でも解説しております。ぜひこちらも合わせてご参照ください。

そもそも墓じまいとは?前提を押さえておこう

墓じまいの供養先

墓じまいとは、現在のお墓を解体・撤去して、その土地を寺院や霊園の管理者に返還することを指します。お墓を撤去するだけではなく、中に納められていたご遺骨を別の場所へ移す「改葬(かいそう)」という手続きがセットになることが一般的です。

【名古屋版】墓じまいで必要な行政手続き

名古屋市役所

お墓を撤去する際には、ご遺骨を勝手に移動させることは法律で禁じられているため、法律に基づいた行政手続きが必要です。この手続を「改葬許可申請」といいます。そしてこの改葬許可申請に必要な書類が3つあります。行政手続きは以下3つの書類を作成・提出することが求められます。

手続き自体はそれほど複雑ではありませんが、複数の場所から書類を集める必要があるため、余裕を持って準備を進めるのが望ましいです。

  • 改葬許可申請書
  • 埋葬許可書
  • 受入証明書

まずは簡単にそれぞれの書類の役割りをざっくり解説します。

改葬許可申請書

遺骨を「今のお墓」から「新しい納骨先」へ移すための、行政への正式な申請書です。この書類がなければ、遺骨の移動はできません。必要書類(改葬許可申請書・埋葬証明書・受入証明書の3点セット)をすべて揃えたうえで、役所に提出 → 内容確認後、改葬許可証が交付されます。

埋葬証明書

「確かにこのお墓にこの遺骨が埋葬されている」という事実を証明する書類です。改葬許可申請の必須添付書類になります。現在のお墓の管理者(寺院・霊園)に依頼 → 発行してもらう → 改葬許可申請書に添付します。

受入証明書

新しい納骨先が「この遺骨を受け入れます」と承諾していることを示す書類です。行政は「移動先が決まっているか」を必ず確認します。新しい納骨先(霊園・納骨堂など)を決定 → 管理者に発行依頼 → 改葬許可申請書に添付します。

3枚の申請書類の取得順

墓じまいの書類作成

①改葬許可申請書を取得(名古屋市の各窓口)
②埋葬証明書を取得(現在の墓地管理者)
②受入証明書を取得(新しい納骨先)

③改葬許可申請を行う(市区町村へ①②③を提出)
→審査後、改葬許可証が発行される

改葬許可申請書の取得方法

改葬許可証

改葬許可申請書を市区町村に提出し、許可を得ることで、遺骨を正式に移動できるようになります。改葬許可申請書は、現在お墓がある市区町村の役所(通常は環境課や生活衛生課など)に提出します。申請が受理されると、役所から「改葬許可証」が発行されます。

申請先 遺骨が埋葬されているお墓がある自治体の市役所・役場
申請方法 市役所・役場の窓口へ改葬許可申請書を提出
申請者 遺骨が埋葬されているお墓の墓地使用者
※代理人に委任することも可能(行政書士資格者のみ可)
手数料 無料~1通あたり数百円
申請に必要な書類 ・改葬許可申請書
・墓地管理者による埋葬(または埋蔵・収蔵)証明
・改葬先の使用許可証もしくは契約書
・本人確認書類
・(墓地使用者と申請者が異なる場合)委任状または改葬承諾書
発行にかかる日数 即日交付~10日程度
※自治体によってまちまち

改葬許可申請書の入手方法

お墓のある市区町村の役所窓口で直接もらうか、自治体の公式サイトからダウンロードします(近年は多くが対応)

名古屋市にお墓がある場合は、以下の窓口からの受け取りまたは名古屋市の公式webページからダウンロードできます。

  • 名古屋市保健所生活衛生部環境薬務課
  • 各区保健センターの窓口

改葬許可申請時の注意点

  • 書類は墓地単位ではなく、遺骨(1体)ごとに必要です。2人分の遺骨を移す場合は、2通の申請書が必要です。
  • 申請者は原則として墓地使用名義人、名義人が故人の場合は、相続人代表が申請します。
  • 改葬許可証の有効期限に注意しましょう。発行後、一定期間内に改葬先へ納骨する必要があります。
  • 寺院・霊園の承諾印をもらう必要があります、管理者が押印しないと受理されない場合があります。
  • 死亡者の情報で不明な項目がある場合は、「不詳」と記載可能です。実際、過去の情報は調べることが難しいため不詳という記載はよくあります。
  • 解体許可申請証の記載例は、名古屋市のページにて解体許可申請証の記載例が掲載されています。作成時はご参考ください。名古屋市改葬の手順

改葬許可申請証の作成の代理について

「改葬許可申請書」は、本人が必ずしもすべてを作成・提出しなければならない書類ではありません。仕事や遠方に住んでいるなどの理由で手続きが難しい場合は、委任状を作成し、家族や専門家に代理で作成・申請してもらうことが可能です。

また、行政書士に依頼することも可能です。ウラシコの場合、信頼できる行政書士のご紹介も行っております。ぜひお気軽にご相談ください。

埋葬証明書の取得方法

埋葬証明書

ここからは各書類の詳細を解説します。まずは埋葬証明書を準備または取得します。

墓地や納骨堂へ納めるとき、また改葬(墓じまいで移す)をするときは、遺骨が正規のものだと示す必要があるため、改葬許可申請の添付書類として証明書が求められます。役所はこれで「遺骨の正当性」と「手続きの適正」を確認し、改葬許可を出します。

提出先 改葬許可申請の提出先(遺骨が埋葬されているお墓がある自治体の市役所・役場)へ、申請書類と一緒に添付して提出
発行者 現在の墓地管理者(寺院・霊園・納骨堂・自治体など)が発行
発行者の例 ・寺院墓地 → 寺院の住職または寺務所
・民間霊園・納骨堂 → 管理事務所または運営法人
・公営墓地 → 各自治体の霊園管理事務所

埋葬証明書の入手方法

ほとんどの場合、墓地管理者に相談すると発行してくれます。その際に、こちら側で事前に改葬許可申請証を用意しておくと墓地管理者も発行しやすくなるので準備しておきましょう。

埋葬証明書取得が作成できない場合

長年放置された墓じまいをする場合、「情報がなく埋葬許可証が作成できない」というケースが非常に多いです。

その場合は、名古屋市に「埋葬証明書の代替として何が必要か」を確認しましょう。押印済みの改葬許可申請書、墓地使用許可証、埋葬許可証(火葬時に発行されるもの)、納骨記録、寺院の過去帳など代替資料で許可されるケースが多いです。

受入証明書の取得方法

受入証明書

受入証明書とは、墓じまいで取り出した遺骨を、「新しい納骨先(永代供養墓・納骨堂・樹木葬・霊園など)が正式に受け入れます」ということを証明する書類です。遺骨をどこに移すのかを示す“新しい受け入れ先からの承諾書”のようなものです。

提出先 改葬許可申請の提出先(遺骨が埋葬されているお墓がある自治体の市役所・役場)へ、申請書類と一緒に添付して提出
発行者 遺骨を納める予定の新しい施設(納骨先)が発行
発行者の例 ・寺院の永代供養墓 → 寺院の住職または寺務所
・民間霊園・納骨堂 → 管理事務所または運営法人
・公営墓地 → 各自治体の霊園管理事務所
・樹木葬や散骨 → 対応している供養業者(散骨業者含む)

受入証明書の入手方法

受入証明書は、遺骨を納める予定の新しい施設(納骨先)が発行します。前述の埋葬証明書を取得後、納骨先に提出して正式に発行してもらいます。書式は納骨先によって異なります。

受入証明書の注意点

  • 発行印(住職印や法人印)がないと無効になる自治体もあります。
  • 申請書と故人名の表記が一致しているかを確認しましょう。
  • 受入証明書の有効期限が設定されている場合もあるため、発行後は速やかに手続きへ。

名古屋で墓じまいをする時の一連の流れ

墓じまいの一連の流れ

最後に、墓じまいの作業をスムーズに進めるためには、全体の流れを把握しておきましょう。

1.墓じまいのための話し合い

まずは親族・家族で「墓じまいをするかどうか」を話し合い、みんなの気持ちをそろえます。あわせて、遺骨を移す先(永代供養墓・納骨堂・霊園など)も決めておくと、その後がスムーズです。

2.申請する人を確認する

名古屋市へ出す書類は、基本的に「今のお墓を管理している人」が申請します。親族の代表を決めて対応しましょう。対応が難しい場合は、代行サービスに依頼して、行政書士を手配して対応してもらいましょう。

3.改葬許可申請書を用意する

名古屋市の案内ページから、手続きの内容を確認できます。申請書や記入例も見られるので、先に目を通しておくと安心です。
名古屋市公式:改葬の手続き(案内ページ)
改葬許可申請書(Word)
記入例(PDF)

4.今のお墓の管理者に証明してもらう

今のお墓の管理者に、埋葬証明書を発行してもらいます。また、改葬許可申請書に名前と押印をもらいます。

5.新しい納骨先の受入証明書を用意する

新しい納骨先に、「遺骨を受け入れます」という書類(受入証明書)を出してもらいます。

6.名古屋市へ書類を出す

書類がそろったら名古屋市へ提出します。郵送で出す場合は、許可証を送り返してもらうための返信用封筒(切手を貼り、住所を書いたもの)を同封します。窓口で出せる場合もあります。

申請する人ではない方が代わりに出すときは、お願いするための紙(委任状)が必要になることがあります。

7.改葬許可証を受け取る

名古屋市で内容が確認できると、改葬許可証を受け取れます。受け取った改葬許可証は、新しい納骨先の管理者へ渡します。

8.工事をして遺骨を移して納骨する

改葬許可証を受け取ったあとに、必要に応じて閉眼供養を行い、遺骨を取り出して墓石を撤去します。その後、遺骨を新しい納骨先へ運び、改葬許可証を受け渡して納骨すれば完了です。

墓じまい代行業者の選び方

墓じまい代行業者

最後に「手続きが難しそう」「遠方に住んでいて名古屋まで何度も行けない」という方のために、墓じまいをサポートしてくれる代行業者も存在します。業者を選ぶ際のポイントをいくつか紹介します。

どこまでの業務を依頼できるか確認する

業者によってサポートの範囲はさまざまです。行政手続きの書類作成のみを代行してくれるところもあれば、お寺との交渉、新しい納骨先の紹介までをトータルで引き受けてくれるところもあります。自分がどこまで自分で行い、どこをプロに任せたいのかを明確に。

相談時の対応や説明が丁寧かどうか

墓じまいは、ご先祖様に関わるデリケートな問題です。単なる事務作業としてではなく、依頼主の気持ちに寄り添って対応してくれるかどうかが重要になります。

電話やメールでの問い合わせをした際に、言葉遣いが丁寧か、こちらの質問に対して分かりやすく答えてくれるかを確認してみましょう。また、名古屋の地域の特性や、市役所の手続きに精通しているかどうかも、スムーズに進行させるための判断基準になります。

まとめ

名古屋の墓じまいはウラシコへ

お墓を閉じることは、決してご先祖様をないがしろにすることではなく、今の時代に合った形で供養を続けていくための前向きな決断だと思います。

費用や手続きについて不安がある場合は、今回ご紹介した流れを参考にしながら、一つずつ整理してみてください。

ウラシコでも、墓石撤去から供養までトータルでサポートする墓じまいサービスを開始しました。「地域に根付いた業者に依頼したい」「トータルサポートしてくれる業者がいい」「費用をできるだけ抑えたい」そんな方は、ぜひウラシコへご相談ください。