実家や親の家を整理する際、解体工事を予定している人の中には「お祓いをしたほうがいいのか」と悩む方も少なくありません。法律上は義務ではありませんが、心理的な面や親族間のトラブル防止の観点から、実際にお祓いを選ぶ人も多くいます。

ウラシコのこれまでの経験に基づき、解体工事前に行うお祓いの意味や流れ、費用相場、依頼先など、わかりやすく解説します

目次
  1. 解体工事のお祓いは必要?しないとどうなる?
  2. 解体工事前のお祓いの実施状況は5割程度
    1. 法律上は義務ではないが、心の整理として選ぶ人が多い
  3. 解体工事前に行う「解体清祓(かいたいきよはらい)」
    1. 解体清祓の目的と内容
    2. 参列者の服装や持ち物
      1. 初穂料の書き方
    3. 日取りはどの程度意識すべきか?
  4. 解体清祓の流れ
    1. ① 日程調整・神社への依頼
    2. ② 当日の準備(施主・業者側)
      1. 供物について
    3. ③ 修祓(しゅばつ)|穢れを祓う儀式
    4. ④ 祝詞奏上(のりとそうじょう)|感謝と工事の安全祈願
    5. ⑤ 建物四隅を清める「四方祓い」
    6. ⑥ 玉串奉奠(たまぐしほうてん)|施主が感謝を捧げる
    7. ⑦ 神酒拝戴(しんしゅはいたい)|儀式の締め
    8. ⑧ 神職の撤収 → 解体工事へ
  5. 解体清祓にかかる費用相場
  6. お祓いの依頼先と予約の流れ
    1. 地元の神社に直接依頼する場合の流れ
    2. 解体業者から紹介してもらうメリット・注意点
    3. お祓いの予約時に伝えるべき情報
  7. 解体清祓を自分で行う場合
    1. ① お供え物を準備する
    2. ② 建物に向かって感謝を伝える
    3. ③ 四隅を清める「四方祓い」を行う
    4. ④ 仕上げに一礼
  8. その他に建物の解体でお祓いが必要になる対象
    1. 井戸を埋めるときに必要な「井戸祓」
    2. 大きな樹木の伐採時に行う「樹木伐採清祓」
    3. 神棚・仏壇・お墓の処分に必要な「御魂抜き(みたまぬき)」
  9. まとめ

解体工事のお祓いは必要?しないとどうなる?

解体工事前のお祓いは、必ず行わなければならないものではありません。法律上の義務はなく、行わないからといって罰則があるわけでもありません。しかし、建物には長年の歴史や思い入れがあることが多く、心情面での区切りとしてお祓いを選ぶ方もいらっしゃいます。

解体工事前のお祓いの実施状況は5割程度

ウラシコにご依頼されるお客様の場合、解体工事前に神職に依頼してお祓いする人は5割程度です。また神職に依頼しないで、自らで簡易的にお祓いをする人も多いです。

ウラシコでは、ご希望があれば神主さんの手配や、お祓いの流れ・準備物(玉串料・日程調整など)についてもご案内が可能です。「やるべきか迷っている」という方も、まずはお気軽にご相談ください。

法律上は義務ではないが、心の整理として選ぶ人が多い

長年住んできた家や親の思い出の詰まった建物を壊す際には、心理的な負担や後ろめたさを感じることも少なくありません。さらに、火災物件や事故物件などで不慮の事故が起きてしまった場合もお祓いをされる方が多いです。

お祓いを行うことで、心の区切りをつけることができるため、気持ちよく工事を進められるといった心理的メリットがあると思います。

お祓いを行わない場合、心理的な不安や後悔が残ることがあります。また、親族間で「お祓いをしたほうがよかったのでは」という意見が対立すると、トラブルにつながるケースもあります。

特別思い入れのある家族がいる場合は、事前に話し合って意向を確認しておきましょう。

解体工事前に行う「解体清祓(かいたいきよはらい)」

解体清祓

解体清祓とは、神職に依頼して建物の安全や土地の浄化を祈願する儀式です。地域によって呼び方や内容が異なりますが、基本的には建物の解体作業を始める前に行われ、工事の安全や関係者の無事を祈るものです。

解体清祓は宗教的儀式の一種ですが、必ずしも神道の形式に従う必要はありません。また、最近では、費用や時間の負担も比較的軽く済むような簡易的な儀式をされる神職もいます。

解体清祓の目的と内容

解体清祓の目的は、建物に宿るとされる霊や土地の神様に感謝し、工事の安全を祈ることです。

具体的には、神職が野菜や果物、塩や酒、米などのお供え物を用いて建物や土地を清めます。儀式の内容は地域や神社によって若干異なりますが、基本的にはおよそ1時間程度で終わります。

参列者の服装や持ち物

参列者の服装は、清潔感のある服装であれば問題ありません。持ち物は特に必要なく、初穂料を渡す場合の封筒があれば十分です。

初穂料の書き方

初穂料の書き方

初穂料は、白いのし袋(紅白の蝶結び)に「初穂料」と書き、下に施主の名前を記入します。中袋がある場合は表に金額(例:金壱萬円)、裏に住所・氏名を書きます。中袋がない場合は封筒裏の左下に住所・氏名を記入します。白封筒でも簡易な清祓なら問題ありません。

日取りはどの程度意識すべきか?

お祓いの日取りは、一般的に吉日を選びますが、必ずしもこだわる必要はありません。平日や解体工事の都合に合わせて設定するケースも多く、地域の慣習に従う程度で十分です。

解体清祓の流れ

解体清祓の当日は、まず神職が現地で準備を行い、施主や関係者は儀式の開始を待ちます。神職による奉唱、塩や酒による清め、簡単な祈願を行い、最後に施主が玉串料や初穂料を納めるという流れが一般的です。

特別な作法を知らなくても参加可能です。ウラシコでは、事前準備のアドバイスや当日の立ち会いも行っておりますので、安心してお任せください。

① 日程調整・神社への依頼

  • 近隣の氏神神社に連絡し、解体前の清祓を依頼します。
  • 建物の住所・実施希望日・参加人数などを伝えます。
  • お供物や初穂料の準備についてもここで確認します。

② 当日の準備(施主・業者側)

  • 建物の玄関付近などに、簡易的な祭場を設置します。
  • 供物は神社側が用意してくれることが多いです。
  • 解体業者も立ち会い、工事の安全を一緒に祈願します。

供物について

供物は「お供え物はこちらで準備しますので、初穂料だけご用意ください」という神職が半数以上です。もし依頼主側で準備する場合は、以下が定番のセットです。

簡易的なセット
  • 米:一握り
  • 塩:一握り
  • 酒:一合(小瓶)
  • 水:コップ1杯程度

多くの神職が「これで十分です」と案内する基本セットです。建物の四隅を清める『四方祓い』に使います。

本格的なセット
  • 酒(日本酒)
  • 昆布
  • するめ
  • 季節の果物(りんご・みかんなど)
  • 野菜(大根・にんじん・きゅうりなど)
  • お菓子や乾き物(神社による)

「正式なお供え」として準備する場合のセットです。家族や親族が参加する場合におすすめです。

③ 修祓(しゅばつ)|穢れを祓う儀式

神職が大麻(おおぬさ)を振り、建物や土地、参列者の心身を祓い清めます。工事の安全・家族の無事・近隣トラブルの防止などを祈ります。

④ 祝詞奏上(のりとそうじょう)|感謝と工事の安全祈願

家を守ってくれたことへの感謝、解体工事の無事完了、今後の土地の安寧を祈願する祝詞を読み上げます。

⑤ 建物四隅を清める「四方祓い」

米・塩・酒を用いて、建物の四隅を神職が清めます。施主も一緒に行う場合があります。

⑥ 玉串奉奠(たまぐしほうてん)|施主が感謝を捧げる

施主が玉串を祭壇へ捧げ、二礼二拍手一礼を行います。家族・親族が参加している場合は順番に行います。

⑦ 神酒拝戴(しんしゅはいたい)|儀式の締め

みんなでお神酒をいただき、清祓が終了します。(運転がある方は口をつけるだけでOK)

⑧ 神職の撤収 → 解体工事へ

祭場を片付け、神職にお礼を述べて終了。その後、解体業者は工事に着手します。

解体清祓にかかる費用相場

解体工事前のお祓いには、初穂料のほかに神職の出張費やお供え物の費用がかかります。規模や地域によって差はありますが、合計すると、30,000円〜60,000円程度が相場となります。規模や神社、地域によって変わるため、事前に確認しておきましょう。

費用項目 相場
初穂料 10,000円〜30,000円
出張費 10,000円〜20,000円
お供え物など 10,000円程度

お祓いの依頼先と予約の流れ

お祓いは、地元の神社や解体業者を通して依頼できます。どちらを選ぶかによって予約方法や手順が異なるため、事前に流れを押さえておきましょう。

地元の神社に直接依頼する場合の流れ

神社に直接依頼する場合、まず電話やメールで日程を相談し、建物の住所や規模、希望日時を伝えます。その後、神社側が必要な準備を行い、儀式当日に施主と関係者が参加する流れです。費用や持ち物に加えて、服装も事前に確認しておくと安心です。

解体業者から紹介してもらうメリット・注意点

解体業者を通して神社を紹介してもらう場合、工事日程に合わせてスムーズにお祓いを手配できるメリットがあります。一方で、施主の希望や地域の習慣に沿っていない場合もあるため、紹介先に確認してから依頼することが重要です。

お祓いの予約時に伝えるべき情報

予約時には、住所、建物の種類・規模、希望日時、施主の連絡先などを伝えます。また、井戸や樹木、神棚・仏壇の有無も併せて伝えておくと、神職が準備しやすく、当日の進行がスムーズになります。

解体清祓を自分で行う場合

解体清祓を自分で行う

解体清祓は、必ず神職を呼ばなければならないわけではありません。近年は「家へのお礼をきちんと伝えたい」「簡易的に気持ちの区切りをつけたい」ということで、施主ご自身で簡易的に行う方も多いです。その際は、以下の手順を参考にしてください。

① お供え物を準備する

最低限のお清めに必要なのは、米・塩・酒(日本酒)・水 の4つです。これらを小皿に分けて、玄関や元の神棚があった場所にお供えします。

② 建物に向かって感謝を伝える

長年住まわせていただいた家に対して、「これまでありがとうございました」と祈ります。儀式的でなくても、気持ちがこもっていれば十分です。

③ 四隅を清める「四方祓い」を行う

米と塩、酒を少量ずつ手に取り、建物の四隅に軽く撒いて清めます。

玄関 → 北東 → 南東 → 南西 → 北西

というように、家をぐるりと一周しながら行うと流れが自然です。

④ 仕上げに一礼

最後に家に向かって静かに一礼し、清祓は完了です。所要時間は5〜10分ほどで、難しい作法は必要ありません。

その他に建物の解体でお祓いが必要になる対象

解体でお祓いが必要になる対象

解体工事前のお祓いは建物だけでなく、土地や設備、神棚や仏壇など、特別な対象物にも必要となる場合があります。特に井戸や大きな樹木、神具などは、別途儀式を行うケースが多いです。

井戸を埋めるときに必要な「井戸祓」

古い井戸を埋める場合、井戸の神様への感謝と土地の浄化を行う「井戸祓」を行います。解体清祓と同様、儀式内容は簡単で神職が拝み、塩や酒で清めるのが一般的です。

大きな樹木の伐採時に行う「樹木伐採清祓」

敷地内に大きな樹木がある場合、伐採前に樹木伐採清祓を行うこともあります。伐採する樹木に宿る神様や精霊への感謝を込めた儀式です。

神棚・仏壇・お墓の処分に必要な「御魂抜き(みたまぬき)」

神棚や仏壇を処分する場合は、御魂抜きの儀式を行います。神職や僧侶が神具や仏具から魂を抜き、別の場所に移すことで、安心して撤去や処分ができます。特に古い仏壇や神棚がある家庭では必須の手順です。

まとめ

長年暮らしてきた家への感謝

解体清祓は、長年暮らしてきた家への感謝を伝え、工事の安全を祈る大切な儀式です。神職を呼んで正式に行う方法もあれば、施主ご自身で簡易的に行うこともできます。

お供え物は 米・塩・酒・水 の基本セットがあれば問題なく、建物の四隅を清める「四方祓い」を行うことで、気持ちの区切りをつけることができます。

形式にこだわりすぎる必要はなく、最も大切なのは“家への感謝”と“これからの安全への祈り”だと思います。

ウラシコでは、清祓の段取りや準備のサポート、解体前後のご相談にも対応しております。不安なことがあれば、どうぞお気軽にお声がけください。