長年使われなくなった実家や空き家を解体しようと考えたときに直面するのが「残置物(ざんちぶつ)」の問題です。家具や家電、生活雑貨などがそのまま残っている場合、それらをどう片付けるかが大きな課題になります。

空き家を所有する高齢の親を持つ子世代にとっては、物の量や仕分け作業、費用の見通しなど、悩みが尽きないものです。解体前に発生する残置物の扱い方、処分にかかる費用、解体業者に依頼する際の注意点などを詳しく解説します。

「残置物」とは?家の中にある処分すべき物

空き家の残置物

解体工事において「残置物」とは、建物の内部や敷地内に残っている不要な家具や家電、衣類、書類、生活用品などのことを指します。

住んでいた当時のまま放置された状態で、空き家として長年使われていない場合、かなりの量になっていることもあります。こうした残置物は、解体工事の妨げになるだけでなく、劣化により費用が高額になるケースもあるため、早めの対応が求められます。

解体工事の前に残置物を片付ける必要がある理由

建屋の残置物

建物を解体する前には、基本的に内部を空の状態にしておくことが望ましいです。多くの人が勘違いしやすいのが「解体業者がすべて処分してくれるのでは?」という点です。

解体業者の仕事はあくまでも「建物そのものの解体」であり、家財道具やゴミの撤去は別業務となるため、追加料金が発生します。たとえば、解体業者が見積もりのために現地調査をおこなった後に、不用品処分費用として数十万円が追加されるケースも少なくありません。

不用品処分費用の内訳には、残置物の収集・運搬・処理・リサイクルなどが含まれます。業者に処分を依頼する場合、リサイクルや買い取りが不可のものはすべて「産業廃棄物」となります。そのため、処分費用が高額になってしまいます。

残置物を放置するとトラブルになる可能性も

残置物を片付けずに放置したまま解体工事に入ってしまうと、近隣住民とのトラブルや行政指導の対象になる可能性があります。

粗大ごみや家電リサイクル対象品を不適切に処分すると、法律違反になることも。加えて、片付いていないことで解体工事が遅れる、業者との契約トラブルになるなど、想定外の問題を招くリスクがあります。

残置物の処分については、施主の責任で対応方針を決める必要があります。解体工事に入る前に、どの物を処分するのか、買取や再利用の可否を含めて、必ず解体業者と事前にすり合わせを行いましょう。トラブルを避けるためにも、「何が残されているか」を把握し、曖昧なまま放置しないことが大切です。

家の解体前の残置物は誰が処分するの?

残置物の処分方法

これまで説明したとおり、残置物の処分は、基本的に建物の所有者またはその家族が行う必要があります。ただし、量が多かったり、遠方に住んでいたりする場合など、自分たちでの処分が難しいケースもあるでしょう。ここでは代表的な2つの方法をご紹介します。

家族や親戚で片付ける

家族や親戚での片付けは、費用を抑えられるという点でメリットがあります。時間をかけて思い出の品を確認しながら整理できるため、精神的な整理にもつながることもあるでしょう。

ただし、労力と時間が大きな負担になる点は否めません。特に遠方から通う場合や、家具の運搬に人手が必要な場合には、体力的な負担も大きくなります。また、自治体の粗大ごみ処分ルールや分別方法の確認も必要です。

不用品回収業者に依頼する

自分たちでの片付けが難しいと感じたら、不用品回収業者に依頼するという選択肢があります。プロに任せることで、大量の残置物でも効率的に処分できるのが大きなメリットです。

料金は、業者や地域によって異なりますが、トラック積み放題プランや部屋ごとのパック料金など、さまざまなプランが用意されています。ただし、悪質な業者も存在するため、事前に口コミや実績を確認するなどの対策も必要です。

解体業者に残置物処分を依頼する

最近では、解体工事だけでなく残置物の処分まで一括で対応してくれる解体業者も増えています。初めての建屋解体依頼で段取りに不安がある方にとっては、ワンストップで対応してくれる業者を選ぶことで安心感が得られます。

私たちウラシコも解体業者でありながら、古物商の資格を有しております。そのため、残置物の処分から解体工事までワンストップで対応可能です。

解体業者へ一括依頼するメリット

解体業者に残置物の処分もまとめて依頼する最大のメリットは、スケジュールや作業内容の調整が一元化できる点です。複数の業者に連絡を取る必要がないため、時間と手間を大きく削減できます。また、処分と解体を同日に行える場合もあるため、仮住まいや移転の段取りもスムーズに進められます。

残置物処分が可能な解体業者を選ぶときのポイント

解体業者を選ぶ際には、残置物処分の実績があるかどうかを確認することが重要です。また、見積もりの際に「処分費が含まれているか」「分別の対応はあるか」「家電リサイクル品も対応可能か」といった点も事前にチェックしましょう。

残置物処分にかかる費用の目安と節約のコツ

残置物処分にかかる費用目安

残置物処分にかかる費用は、物の量や処分方法、依頼する業者によって大きく異なります。見積もりを取る際には、料金体系やサービス内容をしっかりと確認しておきましょう。

残置物の処分費用はどれくらい?

残置物処分の費用は、一般的に建物の広さと残っている物の量によって変動します。一般的には1m3あたり3,000円〜10,000円となり、戸建住宅の場合は150,000円〜300,000円ほどになることが多いです。

さらに、建物内に大型家具や家電が多数残っていたり、庭や物置にも廃棄物があったりする場合は、それ以上の費用がかかるケースもあります。

特に、片付ける人がいないまま何年も放置されていた空き家では、想像以上に物が残っていることも少なくありません。見積もりの際には、部屋ごとの面積だけでなく、物量や回収品の種類もしっかり確認してもらいましょう。

費用が高くなりやすいケースとは?

残置物の処分費用が高くなりやすいのは、量が多いだけでなく、「分別が複雑」または「特殊な廃棄物」が含まれているケースです。たとえば、仏壇や神棚、消火器、人形などは通常のゴミとは異なり、供養や専門的な処理が必要になることがあります。

また、古い冷蔵庫やテレビなど家電リサイクル対象品も別途費用がかかります。処理が難しい金属類や危険物がある場合も費用が高額になる可能性があるでしょう。事前にこうしたリスクがあるかを把握し、見積もり時に詳細な説明を受けておくことが大切です。

まとめ

空き家の残置物撤去

家の解体工事をスムーズに進めるためには、事前の残置物処分が欠かせません。処分方法として、家族や親戚での片付けや業者への依頼、解体業者による一括対応など、様々な選択肢があります。

それぞれの状況に応じて、適切な方法で残置物の処分を行いましょう。名古屋で解体工事を検討している方は、地域密着型の解体業者ウラシコへご相談ください。残置物処分から解体工事までワンストップで対応可能です。