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今回は「解体の社会的役割とは?」というテーマでお話ししていきたいと思います。私たちウラシコは、名古屋市を拠点に内装解体・原状回復・店舗設計施工を行っている専門業者です。
建物が壊れるとき――それは、新しい始まりが生まれる瞬間でもあります。見えないところで街を支える仕事、それが「解体」なんです。それでは、さっそく本題に入りましょう。
空き家の増加問題

近年、空き家の増加が社会的な問題となっています。老朽化による倒壊の危険性、特に地震や台風などの災害時にはそのリスクが高まります。また、不審者の侵入や放火といった犯罪の温床になりやすいという問題もあります。
そして、ゴミの不法投棄や、害虫・野良猫・ネズミなどの発生といった問題もあります。それによって、健康被害や近隣からの苦情が生じることも少なくありません。これらはすべて、空き家の増加によって引き起こされている問題なんですね。

空き家を「持ち主だけど特に手をかけていない」という時代は、もう終わりに近づいています。解体という仕事は、こうした問題を解決し、その先の都市の再開発につなげていく重要な役割を担っています。
また、古くなって住まなくなった建物でも、固定資産税はかかり続けます。管理が不十分な場合には、「特定空き家」に指定され、税額が最大で6倍に増える可能性もあります。
空き家問題は地域社会全体の課題

空き家対策は、所有者の責任であると同時に、地域社会全体の課題でもあります。「もう今にも崩れそうだよね」といった老朽化した空き家は、近隣に迷惑をかけるリスクも高いです。
ちょっと風が吹いただけで瓦やブロックが飛んでしまったり、塀が倒れてしまうこともあります。そうなると、周辺の住宅や土地の価値にも悪影響を及ぼします。
地域の景観が損なわれ、資産価値が下がり、住みたいと思う人が減る——結果的に、その町全体の空洞化が進んでしまうのです。
売却や賃貸もされないまま、土地や建物としての価値を失っていくことは、個人にとっても社会にとっても大きな損失になります。
そのため、近年この空き家問題が強く取り上げられているのです。
ゴミ問題

そして、この空き家問題に続いて、ゴミの問題も社会全体にとって非常に重要な課題となっています。
近年、ゴミによる環境への負担は世界規模で広がっており、日本だけでなく、世界中が“モノとゴミであふれている”状況です。
焼却処理によるCO₂の排出は地球温暖化の一因となり、また埋め立て処分場の限界も各国・各地域で深刻な問題になっています。
海洋ゴミについて

さらに、海洋ゴミも大きな社会問題です。プラスチックごみがマイクロ化して生態系に悪影響を与えるなど、私たちの生活と環境の両方に影響が及んでいます。
ニュースでも、「クジラのお腹から大量のゴミが見つかった」というような話題を目にすることがありますよね。
それでもウラシコはゴミに可能性を感じています

それでも私たちウラシコは、“ゴミにも可能性がある”と考えています。実際、解体の現場では、ゴミを単なる廃棄物ではなく“資源”として扱う意識を持っています。
木材・鉄・コンクリートなどを分別し、再利用する取り組みを日々行っています。つまり、解体業は循環型社会を支える大切な歯車でもあるのです。
解体時に出る残置物についても、再利用が可能なものは寄付や再活用、リユースの促進などに取り組んでいます。
私たちは現場で出るすべての廃材やゴミを「分別解体」という形で丁寧に仕分けながら作業を進めています。
「このゴミは資源として再利用できる」「これは処分が必要」といった形で、一つひとつ確認しながら分別を徹底しています。
分別解体を徹底

この分別解体というのは、時間も手間もかかる作業です。しかし、それによって埋め立てや焼却処分の量を減らし、環境への負担を軽減することができます。
さらに、処理コストの削減にもつながるという、企業にも社会にも大きなメリットがある取り組みです。
私たちは、ゴミを「ただの廃棄物」ではなく「新しい価値の出発点」として捉えています。
こうした活動が、SDGsの目標達成やカーボンニュートラルの実現といった社会的課題への貢献につながると考えています。
ウラシコの目指すところ

今後もウラシコでは、こうした取り組みを継続していきます。企業として利益を生み出しながら、社会に貢献できる存在であり続けること――それが、ウラシコの重要なミッションのひとつです。
解体の仕事って、実際にはどんなものなのか?とよく聞かれます。
解体の仕事には、残置物や産業廃棄物といったゴミの処理が伴いますが、そのためには「産業廃棄物収集運搬業許可」などの免許が必須です。これは解体業を行う上で欠かせない資格になります。
ウラシコでは、信頼できる提携先の中間処理場や最終処分場と連携し、適正にゴミの処理を行っています。
また、まだ使えるものについては「これ売ってみたらどうですか?」「リサイクルショップやメルカリで使えるのでは?」といった提案をお客様に行うこともあります。
不法投棄について

昔に比べて法律が厳しくなったことで、ゴミの不法投棄は減ってきているものの、森林や山中の空き地などに不法投棄を行う業者がゼロというわけではありません。最近でもニュースで取り上げられることがあります。
そのため、解体工事を依頼する際には、見積書や契約書をしっかり確認し、この点にも注意することが大切です。
なぜ不法投棄が問題かというと、それは「処分の責任」が発注者にあるからです。つまり、解体業者が不法にゴミを捨てていた場合でも、法的な責任を問われるのは依頼主なのです。
たとえば、100万円かけて処分を依頼したとしても、そのゴミが山に不法投棄されていたと発覚すれば、改めてその撤去や処分の費用を依頼主が負担しなければならなくなります。
つまり、100万円を支払ったうえに、さらにその何倍もの費用と労力を負うことになるのです。ですから、「価格が安い」という理由だけで業者を選ぶのは非常に危険です。
きちんと処分を行っていることを証明できる「マニフェスト(産業廃棄物管理票)」や「産業廃棄物収集運搬の委託契約書」を発行してくれる業者を選ぶことが重要です。
さいごに

本日は、少し違った角度からウラシコの取り組みについてお話しさせていただきました。それでは、最後にまとめになります。
「解体業の社会的な役割」そして「ゴミに対する考え方とその可能性」について、私の考えをお話ししました。
人によってさまざまな意見があると思いますが、地球温暖化や環境破壊が進む今の時代において、非常に重要なテーマだと感じています。

少し真面目な内容だったかもしれませんが、大切なことですので、今回はあえてこのテーマを取り上げさせていただきました。
やはり私たち一人ひとりが環境のことを考えて行動することが、これからの時代には欠かせません。
このままでは、私たちの子どもや孫の世代が安心して暮らせる地球環境が失われてしまうかもしれません。
こうした状況を少しでも食い止め、改善していくためにも、私たちは今から意識を変えて行動していく必要があります。
ウラシコでは今後も、ゴミの再利用や環境に配慮した取り組みを通じて、協力企業の皆さまと力を合わせ、地球環境への貢献を続けていきたいと考えています。