今、家じまいをする人が急増中です。核家族化や超高齢化が進んだ今、子どもが親と同居しないケースが急増し、親が亡くなった際に実家の片付けに困ってしまうケースがよく見られます。慣れ親しんだ実家とはいえ、今後済む予定がないのであれば、解体する運びになるでしょう。

とはいえ、実際に家を片付けて解体するにはどうすればよいのか、どんな手続きが必要かなどよく分からないこともあると思います。そこで今回は、家じまいとは何か、どんな方法な流れで進めていくとよいかなど、詳しく解説します。

家じまいとは?

遺品整理のタイミング

家じまいとは、家を片付けて整理し、処分することです。親が亡くなったり、施設には言ったりするタイミングで、実家の家じまいをする人が増えています。終活の一部として、家じまいをするケースも急増中です。

空き家問題に注目が集まっている今、家じまいをきちんと行うことは、家族全員の大切な問題ですね。

家じまいでやるべきことや流れは?

家じまいでは、やるべきことがたくさんあります。ここでは、主な内容と流れについて詳しく見ていきましょう。

親族で話し合う場を設ける

親族で話し合う場を設ける

家じまいを進めるうえで最も大切なのは、親族間で意見を揃えておくことです。実家にはさまざまな思い出が残っているため、感情的になりやすく、意見の食い違いが起こりがちです。まずは、次のような基本的なポイントを家族全員で共有しましょう。

  • 家じまいを行う目的(相続対策・管理負担の軽減・空き家リスクの回避 など)
  • 今後の方針(売却する・更地にする・貸す・解体後に新築する など)
  • 費用負担のルール(均等・持分割合・代表者が立て替えて後で清算する 等)

スケジュールの目安(いつまでに結論を出すか、いつ解体するか)これらを明確にしておくことで、後々のトラブルを大幅に防ぐことができます。

話し合いのコツは?

家じまいの話し合いは、思い出や感情が絡むため、どうしても意見がぶつかりやすい場面です。以下のポイントを押さえておきましょう。

① 感情ではなく「事実」を共有する

「壊したくない」「早く処分したい」といった感情論だけでは話が前に進みません。まずは 老朽化の危険性・維持費・固定資産税・近隣リスクなど、数字や客観的な事実を共有することで、全員が同じ土台で話し合えるようになります。

② 全員で情報を共有する(不在者を作らない)

相続人の誰か1人が勝手に決めてしまうと、不信感につながりやすいものです。顔を付き合せるのが理想ですが、LINEグループやオンラインミーティングなどを使い、すべての決定事項や見積り内容を全員に共有することで、透明性が保てます。

③ 話し合いに「期限」を決める

家じまいの話し合いで最も多いトラブルが「結論が出ない」ことです。あらかじめ、

  • 月までに方向性を決める
  • 日までに見積りを取る

など、締め切りを設定するとスムーズに進みます。

④ 第三者(専門業者・行政書士)を入れるのも有効

家族だけで話すと感情的になりやすい場合は、解体業者・不動産会社・行政書士などの第三者に入ってもらうことで、冷静な判断がしやすくなります。専門家の視点から客観的な助言をもらえる点もメリットです。

私たちウラシコでは家じまいに係るすべての業務に対応可能です。遺品整理、家屋の解体、解体後の土地活用までご相談いただけますのでぜひお気軽にお問い合わせください。

⑤ 役割分担を決める

誰が見積りを取るのか、行政手続きを行うのか、遺品整理を進めるのかなど、作業ごとの担当者を決めておくことも重要です。「誰も動かない」「人任せ」の状態を防ぎ、全員が納得して進めやすくなります。

やるべきことをすべて書き出して確認する

役割分担を決める

話し合いの場を設けたら次に、やるべきことをすべて書き出して確認しましょう。一般的に、家じまいでは以下のようなことをやる必要があります。

  • 不用品の片付けおよび処分(遺品整理)
  • 各種インフラの解約手続き
  • 家の解体工事
  • 解体後の不動産関連の手続き
  • 売却手続き(必要な場合)
  • 相続手続き(必要な場合)

なお、このときも、なるべく複数人で確認していくと漏れを防ぐことができておすすめです。家じまいに関わる人のすべてが流れややり方を理解できるようにしておきましょう。

なお、相続が発生する場合、相続放棄を予定している人は、不用品の片付けおよび処分に着手しないようにしてください。着手した場合、相続をする意思があると見なされ、相続放棄が認められないことがあります。

家じまいのスケジュールを作成する

家じまいのスケジュールを作成する

家じまいでやるべきことを書き出したら、次に、スケジュールを作成しましょう。家の解体が決まっているのであれば、解体期限から遡って決めていくと間違いがありません。

なお、不用品の片付けや処分は、なるべく複数の日に分けて無理なく作業できるよう計画するのがポイントです。早く片付けてしまいたい気持ちも分かりますが、無理をすると挫折してしまうだけです。なお、少しでも早く解体したい場合は、不用品の片付けや処分を専門業者に依頼する方法もあります。

不用品を片付けて処分する

不用品を片付けて処分する

家じまいでは、大量の不用品が発生します。家じまいで最も労力を使う作業といっても過言ではありません。家が大きく、物量が多いほど、大変な作業になります。不用品を効率よく片付けるには、事前に仕分け基準を決めておき、場所ごとにおおよその作業時間を決めて進めるとよいでしょう。

なお、仏壇や仏具などは、そのまま処分せずに遺品供養を行うことがおすすめです。寺社にお焚き上げを依頼するほか、遺品整理業者に依頼することもできます。遺品整理と同時に依頼すると手間がかからず楽なので、検討してみるとよいでしょう。

不動産関連の手続きを進める

不動産関連の手続きを進める

家じまいは、不動産関連の手続きも必要不可欠です。所有者が亡くなっている場合や、長期間放置されている場合は、書類の準備や手続きが複雑になることもありますので早めに対応しましょう。

①相続登記(名義変更)を行う

2024年4月から相続登記は義務化され、相続発生から3年以内に名義変更をしないと「過料(罰金)」が発生する可能性があります。相続登記をしないと、実家を売る、解体する、賃貸に出す、などが一切できなくなるため、家じまいの最初に必ず済ませておく必要があります。

②固定資産税・都市計画税の確認

家じまいを進める前に、固定資産税通知書の名義や、未納分の有無を確認することも大切です。今は誰がどのように固定資産税税を支払っているか確認しましょう。納付が滞っていると売却時・解体時に差し障りが出る場合があります。

③権利書・登記事項証明書など必要書類をそろえる

不動産に関する手続きには、以下の書類が必要になるケースが多くあります。

  • 権利書(登記済証)または登記識別情報
  • 登記事項証明書
  • 固定資産税評価証明書
  • 相続関係が分かる戸籍類
  • 印鑑証明書

書類が見つからない場合でも、法務局や市役所で再取得できるため、焦らずに必要書類をそろえていきましょう。

家じまいでの解体は信頼できる解体業者に依頼する

実家の解体業者

家じまい後に解体する場合は、信頼できる解体業者に依頼することが大切です。ここでは、どんな解体業者に依頼すべきか、また、依頼する際にどんなポイントを押さえておくべきかについて詳しくご紹介します。

信頼できる解体業者を選ぶポイント

家じまい後の解体を安心して依頼するためにも、以下のようなポイントを満たす解体業者を選びましょう。

  • 家の解体で豊富な実績がある
  • 家じまいについて豊富な知識を持っている
  • 丁寧な作業と高品質な仕上がりで評判がよい
  • 現場視察を見積もりは無料で行っている
  • スタッフが親切で顧客からの評判もよい
  • 明確でリーズナブルな料金システムがある
  • 依頼者の希望に沿って工期を設定している
  • 保証やアフターフォローに手厚い

なお、私たちウラシコも家の解体を数多くご依頼いただいた実績がございます。ご不明な点がございましたら、まずは、お気軽にお問い合わせください。

スムーズなコミュニケーションで要望を明確に伝える

解体業者とはスムーズなコミュニケーションを意識し、こちらの要望を明確に伝えることが大切です。解体業者とのコミュニケーションがうまく行かず、要望を明確に伝えられなかったことで、トラブルに発展することがあります。

解体業者とのトラブルを防ぐためにも、口頭でのやり取りだけでなく、文書や記録に残して双方が確認できるようにしておきましょう。

家じまい後の相続手続きについて

家じまい後の相続手続きについて

親が亡くなるなど、相続が発生する家じまいでは、相続人全員で納得のいく形で手続きを進めましょう。相続手続きは、故人の死亡日または相続開始を知った日から3か月以内に行う必要があります。なお、家じまいの片付けで出た遺品についても、以下のように金銭価値が高いものは、相続の対象になることがあるので注意しましょう。

  • 有価証券
  • 貨幣・古銭類
  • 金・プラチナ・ダイヤモンドなどの資産価値のあるアクセサリー類
  • 高級ブランド品
  • 骨董品

相続の対象になるか分からないときは、税理士に相談してみるとよいでしょう。それ以外の資産価値がない遺品については、形見分けとして希望する人に分配することがおすすめです。故人の思い出を大切にし、まだ使えるものを受け継いで使い続けることも、供養の一つになります。

まとめ

実家の家じまい

家じまいはやるべきことが多いため、いったんリストに書き出して何をいつまでにやるべきか確認してから進めていくとよいでしょう。また、思い出の詰まった実家の家じまいは途中で手が止まってしまいがちで、想定以上に時間がかかるものです。

ここは、なるべく淡々と作業することを意識して進めましょう。なるべく多くの人の手を借りることも、挫折を防ぐコツです。

なお、私たちウラシコでも、家じまいのお手伝いをお受けしており、大変ご好評をいただいていますので、ご安心ください。家じまいに必要な作業や手続きについて分からないことがありましたら、まずは、お気軽にお問い合わせください。