空き家を解体すると、想像以上に多くの廃材が出ます。これらの廃材は木材やコンクリート、金属、アスベストなど、種類によって処分方法や費用が異なります。
今回は解体現場で出る廃材の種類から、産廃処分の流れ、費用の内訳、そしてトラブルを避けるためのポイントまで、初心者にもわかりやすく解説します。
解体工事で出る廃材の種類と特徴
解体工事で出る廃材にはいくつかの種類がありますが、木造、鉄骨、コンクリート造など建物の構造によって出る廃材の量や種類も異なります。ここでは、家屋の解体で出る代表的な廃材を5種類紹介します。
木材・廃木材
木造住宅では、柱や梁、床板、天井、建具、家具などから多くの木材廃材が発生します。これらは解体後に釘や金具を取り除いたうえでチップ化され、ボイラー燃料やパーティクルボードなどの建材に再利用されます。
名古屋市周辺の処理施設ではリサイクル率が高く、廃木材の多くが再利用されているのです。未処理のまま埋め立てられることは少なく、環境への負担が比較的少ない廃材です。
コンクリート・がれき類
鉄筋コンクリート造や基礎部分を解体すると、大量のコンクリートやがれきが発生します。重量が大きいため、処分費用の中で最も大きな割合を占めるとされています。
コンクリート類は中間処理施設で破砕し、道路の路盤材や再生骨材として活用されるのが一般的です。名古屋市近郊には再資源化施設が多く、ほとんどがリサイクル可能ですが、鉄筋や不純物が混ざっていると追加の分別費用がかかる場合があります。
金属(鉄・アルミなど)
鉄骨構造の建物や金属製の建具、アルミサッシ、銅線などが金属廃材として出ます。これらはスクラップ業者が買い取り、新しい鉄製品やアルミ製品に再生されます。
リサイクル価値が高いため、処分費用がかからないこともあり、逆に収益になることも少なくありません。名古屋市内にもスクラップの買い取りを行う業者があり、解体業者と連携して処理されるケースが一般的です。
プラスチック・ガラス・陶器類
プラスチック製の配管やキッチンパネル、ガラス窓、陶器製のトイレや洗面台なども廃材として出ます。これらはリサイクルが難しい素材が多く、焼却や埋め立てで処分されるのが一般的です。
中にはプラスチックが再生原料にされる場合もありますが、分別の手間や不純物の多さからコストがかかりやすいとも言われています。
アスベスト含有建材
昭和時代に建てられた住宅には、断熱材や外壁、屋根材にアスベストが含まれているケースがあります。アスベストは吸い込むと健康被害を引き起こす可能性があり、通常の解体作業では飛散リスクが高いため、専門家の処理が必要です。
名古屋市では、事前調査と除去工事を適切に行えば、費用の一部を補助する制度があります。アスベスト処理は厳重な管理のもと行われ、指定処分場で安全に埋め立てられます。
解体工事で出る廃材はどこに行く?産廃処分の流れ
解体工事で発生した廃材は、現場から運び出されて最終的にリサイクルや埋め立て処分されます。ここではその流れを説明します。
現場での分別・収集
解体現場では、木材、金属、コンクリート、プラスチックなどを種類ごとに分別します。分別を行わないとすべてが混合廃棄物として扱われ、処分費用が高額になりかねません。
名古屋市の多くの解体業者は、現場での分別作業を徹底しており、リサイクル率を高めつつコストを抑える工夫をしています。
中間処理施設での破砕・選別
現場で収集された廃材は、中間処理施設に運ばれ、破砕や選別が行われます。木材は細かく砕かれて燃料用チップに、コンクリートは砕いて再生骨材に、金属は磁力や手作業で仕分けされ、リサイクル工程へ進みます。この段階でリサイクル可能な資源と最終処分する廃材が分けられます。
最終処分(リサイクル・埋め立て)
リサイクルできない廃材や有害なアスベストを含む廃材は、最終処分場で埋め立てられます。それぞれの地域に適正に管理された処分場があり、環境基準に基づいて安全に処理されます。
解体工事の廃材処分にかかる費用の内訳
解体費用には、廃材処分の費用が大きく含まれます。種類や重量、処理方法によって金額が変わるため、内訳を知っておくことが重要です。
廃材の種類別単価
木材や金属は比較的安価、または買取で処分費用がかからない場合もあります。一方、コンクリートは重量があるため運搬費も高くなる傾向があります。アスベストを含む廃材は特別管理産業廃棄物となり、通常の数倍の費用が必要です。
運搬費・収集費
廃材を現場から中間処理施設や最終処分場へ運ぶ費用です。廃材の量や距離によって大きく変わり、大型トラックやクレーン車が必要な場合は別途費用がかかることもあるでしょう。
リサイクル費用・再資源化費用
リサイクル処理を行う際にも費用がかかります。これには、木材をチップ化する費用や、コンクリートを破砕する費用などが含まれます。ただし、資源として売却できる場合は一部費用が戻ることもあります。
アスベスト処理費
アスベストを含む建材は、専門業者による飛散防止養生、特別な袋詰め、専用処分場への運搬が必要で、費用が高額になります。名古屋市では条件を満たすと補助金が使えるため、事前に調べておくと安心です。
廃材処分費用を抑えるためのポイント
解体工事の費用は高額になりがちですが、次のポイントを押さえることで金銭的負担を軽減できます。
相見積もりを取る
解体業者から見積もりを取り、料金やサービス内容を事前に確認したうえで契約しましょう。名古屋市内だけでも多くの業者があるため、適正価格で解体を行ってもらえるかを見極めることが重要です。解体工事費だけでなく、廃材処分費の内訳も詳しく確認しておくことで、無駄な出費を避けられます。
リサイクル可能な資材を買取してもらう
アルミサッシや銅線、鉄骨などは買取可能です。業者によっては解体時に引き取り、処分費用から差し引いてくれる場合があります。これにより総費用が数万円単位変わることもあります。
自治体の補助金・助成制度を活用
名古屋市では老朽化した空き家を対象に、解体費用の一部を補助する「名古屋市老朽危険空家等除却費補助金」の制度があります。申請には条件がありますが、うまく利用すれば数十万円の補助が受けられます。市の公式サイトや窓口で確認しておくと安心です。
不法投棄トラブルを防ぐために知っておくべきこと
解体工事では、悪質な業者が不法投棄を行い、後から施主が責任を問われるケースもあります。安全に処分してもらうために、3つのポイントを確認しましょう。
1.許可を持つ解体業者を選ぶ
産業廃棄物収集運搬業や処分業の許可を持っている業者に依頼しましょう。名古屋市の公式サイトでは「産業廃棄物処理業者名簿と優良産業廃棄物処理業者名簿」が公開されているため、依頼前に許可を持つ業者であるかを確認できます。
もちろん、ウラシコでは産業廃棄物収集運搬業の資格を取得しておりますのでご安心ください。
マニフェスト(産業廃棄物管理票)の確認方法
マニフェストとは、廃材がどのように処理されたかを記録する管理票です。業者が適正に処分した証拠となるため、工事完了後に必ず受け取って保管しておきましょう。
処分場や中間処理施設の公開情報をチェック
廃材が運ばれる施設が適正に運営されているか、事前に確認しておくと安心です。多くの施設はウェブサイトで情報を公開しており、名古屋市内にも複数の信頼できる施設があります。
まとめ
空き家の解体工事では、木材やコンクリート、金属、アスベストなど多くの廃材が出ます。これらは分別されてリサイクルや埋め立てで処理され、費用の大部分を占めます。
名古屋市で空き家の解体を検討している場合は、適正価格で適切に解体から産廃処理までを行ってくれる業者に依頼をしましょう。
どの業者に依頼するか悩んだ時には、10年の実績があるウラシコへご相談ください。お客様一人一人に合わせたアドバイスをさせていただきます。