「遠方にあるお墓の管理が難しい」、「跡継ぎがおらず将来が不安」などの理由で墓じまいについて悩む方が増えています。特に仕事や子育てに忙しい20代〜40代にとっては、金銭的、心理的余裕がないことも多く、ハードルが高くなっています。煩雑な手続きやお寺との交渉は大きな負担となっています。そこで注目を集めているのが「墓じまい代行」ですが、高額な費用や業者選びに不安を感じる方も多いでしょう。今回は、解体業者の視点から、墓じまいの正しい手順と注意点、費用を抑える秘訣を紹介していきます。

墓石撤去(墓じまい)の7つのステップ

墓じまい代行

 墓じまいとは、現在あるお墓を解体・撤去して綺麗な更地に戻し、お墓を管理しているお寺や霊園にその敷地を返還することを指し、お墓から取り出した遺骨は、別の場所に移したり、永代供養(寺院や霊園が家族に代わって遺骨を未来永劫にわたり管理・供養してくれる方法)にしたりするのが一般的です。墓じまいは、法律に基づく手続きや、宗教的な手順を経る必要がありますので、スムーズに墓じまいを完了させるための具体的な流れを紹介します。

1.親族間での入念な話し合いと合意形成

 最も重要な最初のステップが親族間の同意です。誰も行っていないからと勝手にお墓を撤去してしまうと、後から大きな親族間トラブルに発展するケースが非常に多いです。普段はお墓参りに行かない遠方の親族であっても、先祖代々のお墓に対して強い精神的な思い入れを持っていることはありますので、事前にしっかりと話し合いの場を設け、全員が納得した上で計画を進めることが円滑な墓じまいの大前提です。

2.現在のお寺や霊園への相談と「離檀」

 現在お墓があるお寺や霊園の管理者に、墓じまいをしたいという意思を伝えます。特にお寺の敷地内にお墓があり、そのお寺の「檀家」になっている場合、お墓を撤去することは「離檀(お寺との檀家関係を完全に解消すること)」を意味しますので、円満に離檀できるように誠実に対応しましょう。この際、離檀料(これまでのお礼としてお寺に包む特別なお布施)が必要になる場合があります。

3.新しい供養先(受入先)の決定と証明書の取得

 現在のお墓から取り出した遺骨を、次にどこへ移すのかを決定します。永代供養や納骨堂、樹木葬のほか、散骨、手元供養(デザイン性の高い小さな骨壺やアクセサリーなどに遺骨の一部を入れて自宅で保管すること)など、現代の価値観に合わせた多様な選択肢が存在します。受入先が決まり必要に応じて契約を済ませたら、新しい供養先の管理者から「受入証明書」や「永代供養許可証」といった書類を発行してもらいます。これは後の行政手続きで必須となります。

4.行政手続きと「改葬許可証」の取得

 日本国内で一度埋葬された遺骨を勝手に掘り起こして別の場所へ移動させることは「墓地、埋葬等に関する法律(墓埋法)」という法律で固く禁じられています。そのため、現在のお墓が存在する自治体(市区町村の役所)で所定の手続きを行い、「改葬許可証」を発行してもらう必要があります。

この申請には、現在のお墓の管理者が記入・押印する「埋蔵証明書」と、新しい供養先が発行する「受入証明書」、そして役所の窓口にある「改葬許可申請書」の提出が必要です。

5.閉眼供養(魂抜き)と遺骨の取り出し

 行政の許可が下り、お墓の解体工事を始める直前に、お寺の僧侶を墓前に招いて「閉眼供養」という儀式を行います。これは、建立時に開眼供養で入れられたお墓に宿っている仏様の魂を抜き、ただの石のモニュメントに戻すための大切な宗教儀式であり、「魂抜き」や「お性根抜き」とも呼ばれます。この厳かな儀式が無事に終わった後、お墓から大切に遺骨を取り出します。

6.解体業者による墓石の解体・撤去・整地工事

 周囲に隣接する他家のお墓に傷をつけたり汚したりしないよう、細心の注意を払いながら慎重に墓石を解体し、トラックへと搬出します。目に見える墓石本体だけでなく、外柵(お墓の周囲を囲んでいる境界の石)や、地下に埋まっているカロートのコンクリート基礎なども残さず全て撤去します。完全に撤去した後は、新しい土を入れ替えて表面を綺麗に平らにし、何もない真っ新な「更地」の状態にしてから管理者に敷地を返還します。

7.新しい供養先への納骨

取り出した遺骨を、新しい供養先へ納めます。遺骨の汚れが酷い場合は、専門業者に依頼して遺骨の洗浄や乾燥を行ってから納骨することもあります。改葬先への納骨手続きの際には、役所で発行してもらった「改葬許可証」の原本を管理者に提出する必要があります。これで一連の墓じまいの全行程が完了となります。

悪徳業者を回避!解体業者に墓石撤去を依頼する際の注意点

墓じまい工事

 墓石の撤去工事は、人生において一生に一度経験するかどうかの特殊な出来事です。知識がないことを良いことに不当な請求をしてくる悪徳業者とのトラブルを未然に防ぎ、安心して任せられる優良な解体業者を選ぶための重要な注意点を解説します。

霊園や寺院の「指定業者制度」の有無を必ず確認する

一番注意しなければならないのが、霊園やお寺に「指定石材店制度」という独自のルールが存在するかどうかです。民営霊園や由緒あるお寺などでは、事前に契約を結んでいる特定の業者しか工事できないという決まりがある場合があり、このルールが存在する場合、その業者以外は、敷地内で工事ができません。見積もりを依頼する前に、必ずお墓の管理者に指定の業者が存在するかを確認してください。なお、自治体が運営する公営霊園の場合は、原則として業者の指定はありません。

「墓じまい代行業者」を理解する

 墓じまいに関する情報収集を進める中で、「墓じまい代行業者」という業態を目にすることがあります。「墓じまい代行業者」とは、墓じまいの全工程をトータルサポートする業者で、墓じまいに関する全工程を依頼できますが、お墓の解体工事などは別の業者に依頼することになるため、仲介手数料などが発生し、総額費用が割高になりやすいです。

現地調査のうえで見積もりを提示してもらう

 墓石の解体工事費用は、お墓の立地条件や環境によって金額が大幅に変動しますので、必ず「現地調査」をしてもらった上で、見積もりを出してもらいましょう現地を見ずに、送った写真や電話での概算説明だけで安価な見積もりを即答してくる業者は、工事が始まってから高額な追加費用を請求してくる危険性が極めて高いため要注意です。

産業廃棄物の適正処理ができる許可業者を選ぶ

 解体工事によって発生した大量の墓石の破片やコンクリート片は、「産業廃棄物」として扱われるため、法律に基づいた適正な処理を行う義務があります。処理費用を浮かすために不法投棄するような悪徳業者を避けるためにも、都道府県知事から「産業廃棄物収集運搬業許可」を正式に取得している解体業者を選ぶことが必要です。また、引き取った廃棄物が最終処分場まで適切に処理されたことを公的に証明する「マニフェスト(産業廃棄物管理票)」の写しを、工事完了後にしっかりと依頼主に発行してくれる業者であれば、コンプライアンス意識が高く、より安心して任せることができます。

墓じまいについてのまとめ

墓じまい費用を抑える

墓じまいは、これまで何世代にもわたってご先祖様を大切に祀ってきたお墓を片付ける非常にデリケートな作業です。行政手続きや親族への配慮など、その煩雑さから墓じまい代行サービスを利用する方も増えていますが、最終的にお墓を安全かつ綺麗に撤去し、まっさらな更地に戻すのは、現場で汗を流す解体業者の腕と誠実さにかかっています。墓じまい後のことも考えたうえで、依頼する業者の選定は入念に実施してください。

株式会社ウラシコでは、周辺環境に配慮した丁寧で安心安全な工事を心がけています。

お客様のご予算やご希望に寄り添い、現地調査に基づいた適正価格で明朗な見積もりをご提示いたします。お墓の解体・撤去でお悩みの方は、ぜひ一度ウラシコにご相談ください。